ザック・セイバーJr.が2020年4月に受けたインタビューを、新日本プロレス海外公式ツイッターがツイートしていたのでご紹介!
プロレスラーを目指したキッカケ、日本でヴィーガン生活を続ける大変さ、日本への想い等を語っています。
こちらのインタビューは既に他の方が翻訳されているためご存じの方も多いと思いますが、インタビュー後半の「I also only moved here permanently at the start of this year」についての翻訳が一部SNSで話題となりました。
本ブログでは「永住」ではなく「日本に腰を据える」というニュアンスで翻訳をしております。
もし気になる方がいらっしゃれば、お気軽にご連絡ください!
それでは、いってみましょー!
ザックがプロレスに目覚めたきっかけ
俺は生涯通じてのプロレスファンだからね。プロレスラーによくある、プロレスラーを目指すきっかけになったっていうエピソードがないんだよ。
14歳の時に「パワースラム」って雑誌を読んでて、「(ハンマーロック)レスリング・スクール」の広告を見つけたんだ。プロレス人生の始まりがこんなに合理的だなんて馬鹿げてるよな。でも、2002年1月の第1週目にスクールに通うようになって以来、俺の人生のすべてになっているんだ。
なぜ日本という場所を選んだのか?
日本に来たのはまさにプロレスの為だね。
俺が子供の頃は、アメリカのプロレス(WWFやWCW)で日本人レスラーが少し注目されていた時期だったんだ。
Tajiriや獣神サンダーライガーのことを、土曜日の午後のイギリスのテレビの無料放送で見ていたのを覚えているよ。
練習の時にみんながVHSテープを持ってきたんだけど、新日本プロレスの歴史のなかで最も有名な大会のひとつである『Super J-Cup ’94』を見せてもらったんだ。
日本におけるプロレスのあり方を知ってから、ただプロレスラーになりたいと思うだけじゃなく、
日本でプロレスラーになりたいと思うようになったんだ。
別に俺はアニメや日本のポップカルチャーの熱狂的なファンじゃなかった。
俺にとっては日本のプロレスがそれに相当するものだったんだよ。
日本のプロレスとはどんなものなのか?
日本のプロレスは世界的な影響力を持っているからね。最近はリング上の差はあまり無いように見えるかもしれない。
とはいえ、日本のプロレスは世界のプロレスと比べるとよりフィジカルが求められるし格闘技の影響も受けているんだ。まぁ、俺はどこにいても同じスタイルで戦っているけどね。
でも、日本の会社の姿勢やメディアからのリスペクトが一番の違いだと思う。
ショーの後にローソンに行って東スポをチェックすれば、自分が出たショーの結果を見ることができるんだ。イギリスのタブロイド紙じゃありえないよ。
俺がずっとそうであって欲しいと思っていたことなんだが、日本ではプロレスがエンターテイメントとして扱われているだけじゃなく、スポーツと同等の扱いをうけている。
日本では、みんながお互いの幸福のために全力を尽くす。
日本のプロレスと日本の文化を切り離すのは難しいね。
日本のプロレスは道場制をとっていることもあって、俺が今まで経験してきたプロレスの中でも断然プロフェッショナルだね。
練習では、上手くいったらそれを1000回、失敗してしまったら1万回同じことを繰り返さなければいけない。細部にまでこだわるんだ。それにチームスピリットがある。
アメリカのプロレスは個人が自分の目標を追い求める。
一方日本では、みんながお互いの幸福のために、そして会社全体の利益のために全力を尽くすんだ。
ヴィーガンを始めたきっかけ
(ヴィーガンに目覚めたのは)日本に来てからだね。とにかく、自分のことを罰したかったんだ!(笑)
正式にヴィーガンになったのは2015年だったんだけど、肉や動物性食品を食べることにいつも矛盾を感じていたんだ。文化的に大きな断絶のあるイギリスで育ってきたから、ヴィーガンに寄せるのは簡単だった。
日本にいる間、今まで食べたことのないような肉料理や魚料理を食べてきた。新日本プロレスでは全国を飛びまわっているんだけど、どの地域にもその土地ならではの名物料理があって、みんなそれを食べてほしいと思うんだ。
ある日、Netflixのドキュメンタリー番組「Forks Over Knives」を見たのがきっかけだった。
ヴィーガンになれば健康になるし、動物に良い影響を与えることができるとこの番組が教えてくれたんだよ。
ザックが普段食べている物
あまり料理は得意じゃないんだ。
でも、良いミキサーを買ったから、バナナ、ほうれん草、ベリー類、ビーガンプロテインを入れた大量のスムージーを飲むのが朝の習慣になっているよ。
冷凍バナナは、ヴィーガンになろうとする人にとっては本当に重要だと思うね。
また、オート(麦)やそば、サツマイモなどのでんぷん質の食品、そして豆腐やテンペ(※インドネシア発祥の、大豆などをテンペ菌で発酵させた醗酵食品)なんかのタンパク質も食べているよ。
日本は最高だ。野菜が季節ごとに変わるから1年間で何を食べるかいろいろと計画できるからね。
日本でヴィーガンの生活を送る大変さ
キッチンのない巡業の時間が長いけど、できる限りのことはしているつもりだよ。
ダシやかつお節はさておき、色々なものに含まれているかもしれないし、食品表示も大きな課題のひとつだね。
ヴィーガンの食品を探すのは、他の国よりも難しいかもしれない。
セブンイレブンの梅おにぎりのようにシンプルなものでも、だしが入っていたり入っていなかったりする。成分表示も曖昧だったりするし、地域によって製造方法も異なったりするからね。
ヴィーガンであることのプロレス界からの反応
金丸選手など何人かのレスラーにはヴィーガンプロテインを紹介しているんだ。
お弁当を手に入れたら、大豆ミートなどを試してみないか勧めてみたりもしているよ。
もちろん、肉やタンパク質が不足しているんじゃないかって心配されることもあるよ。
でも俺はほぼ植物性食品を食べてきてるからエネルギーレベルは素晴らしいと感じている。
(野菜炒めの皿を指差して)だから、これは俺にとってはご褒美だね(笑)
一人でも多くの人に動物愛護について語り、考えてもらいたい
人生の中でもう一度、また別の挑戦をしてみたいよ!
今年(2020年)の初めに日本に腰を据えることにしたんだ。
(注 Twitterにて「永住した」のか「長期visaを取得した」のか賛否が分かれていましたが、当ブログでは後者を採用しています)
時差ぼけやホテルでの寝不足に悩まされることなく、日本各地を探検し、ハイキングなどのアクティビティを楽しみたいね。
そして、一人でも多くの人に動物愛護について語り、考えてもらいたいと思っているんだ。
もっと広い意味で、できるだけ多くの人に動物福祉について話したり、考えたりしてもらいたいと思っているんだ。
毎日1億2,000万頭の動物が食用として殺されているんだ。「肉なし月曜日」のような取り組みは、非常に大きなプラスの影響があるんじゃないかな。
動物愛護に与える影響は、私たちの生活の中で完全にコントロールできる数少ない事柄のひとつだと思うからね。
日本ではヴィーガンという概念が普及しているとは言い難いですし、特に巡業の多いプロレスラーという職種ではヴィーガン生活を維持するのは本当に大変かと思います。
ヴィーガンと言えば思い出すのが、AEWと新日本プロレスの合同興行「FORBIDDEN DOOR(禁断の扉)」でザックとの対決が期待されているブライアン・ダニエルソン
実はAEWで今大暴れしているブライアン・ダニエルソンもかつてヴィーガンでしたが、大豆アレルギーを発症してしまいヴィーガンを辞めたことを過去のインタビューで明かしています。
ダニエル・ブライアン
いや、もうビーガンじゃないんだ。
健康上の理由でビーガンになったんだけど、大豆アレルギーを発症してしまったんだ。
最近、本当に体調を崩してしまってね……ヴィーガンが巡業に出て、大豆以外のタンパク質を摂取しようとしても、何にでも大豆が入っているから食べるものがないんだよ。
ヴィーガンの人が食べられるものの多くは豆腐料理なんだけど、豆腐も大豆から作られたものだからね。
ヴィーガンとしての生活や、コロナの中でも日本への想いを持って新日本で頑張ってくれているザックには本当に感謝しかないです。
2022年4月9日に行われた『HYPER BATTLE’22』で行われたIWGP世界ヘビー級王座戦で惜しくもオカダに敗れてしまったザックですが、ベルトを持ってないの方が自由に動けると個人的に思っています。
特に今後AEWを始めとした他団体との交流が活発化してくでしょうし、ザックの挙動には目が離せないものになるでしょう。
世界をまたに駆けたザックの活躍に期待したいです!