2022年2月23日に行われたAEW DYNAMITE
そこで披露されたMJFのマイクがあまりにも素晴らしかったため、急遽記事にしました。
英語がわからない方でも、動画を見るだけでMJFの感情がありありと伝わってくると思いますが、この翻訳がそのMJFの想いを理解する助けとなれたならうれしいです。
MJF:
俺も昔はCMパンクが好きだったんだ…お前たちがブーイングしたいのは分かってる。ただ、少しだけ話を聞いてほしい。
先週CMパンクは写真を見せて『俺にはとってはただの金曜日だ』と言った。
でも俺にとっては違ったんだ。お前たちは俺がさぞ甘やかされて育ってきたとでも思ってるだろう。だが現実は違う。俺にとっての生きがいはプロレスだった。お前らと一緒さ。
俺はプロレスを愛している。
俺はAEWを愛している。
あの日は、僕にとってただの金曜日以上の意味があったんだ。
少し時間をさかのぼろう。2007年、俺が11歳の頃に多くの学習障害を抱えていた。重度のADD(注意欠陥障害)を抱えていて、学校の毎日はまさに地獄のような日々だった。
その頃唯一得意だったのがフットボールだった。チームのトライアウトを受けたところ、俺は2人しかいなかったユダヤ人の子どものうちの1人だった。驚いたことに、コーチは俺をラインバッカーとして起用した。それが俺にとっての全てになった。
俺はこの時ようやく「学校に溶け込める」と思ったんだ。
その翌日、学校でチームメイトが近づいてきた。人生で生まれて初めて友達ができると思って本当に興奮したんだ。
だが、彼らは怒っているように見た。彼らの手には小銭が握られていたんだ。
そして、その場にいた全員がその小銭を俺に向かって思いっきり投げつけてきた。奴らはこう叫んでいたよ「拾えよユダヤの小僧。拾え』とね。
俺は家に帰り泣きはらした。でも気づいたんだ。「今日は金曜日。今夜俺のヒーローであるCMパンクにサイン会で会えるんだ!』って。
涙は止まったよ。CMパンク、THE BEST IN THE WORLD。俺がずっと尊敬していた人物だ。
その日が本当に俺にとってのすべてだった。家に帰ったとき、俺は自分に約束したんだ。
俺はCMパンクのようなヒーローになる
自分の意見を貫くことを恐れない
この身長150センチのADD気質なユダヤ人少年である俺が、「THE BEST IN THE WORLD」になるんだってね
そして時が過ぎて2013年の12月。
俺はフットボールで誰よりも強く、誰よりも早い存在となった。フットボールの奨学金のオファーもわんさか来た。でも眼中になかった。俺がなりたいのは俺にとってのヒーローのCMパンクだ。
俺はプロレスラーになりたかったんだ。
目から血が出るほどテープを見直して試合の研究をした。鏡の前で声がかれるまでマイクの練習もした。すべては少しでもCMパンクに近づきたかったからだ。
…2014年の1月。あんたは俺を置き去りにしてプロレス界から姿を消した。俺があんたを信じ、最もあんたを必要としていた時だ。お前は俺やファンみんなを捨て去ったんだ。
その時に俺は悟ったよ。THE BEST IN THE WORLDができないのに、150cmもないアホなユダヤ人野郎に何ができるんだってね。
だから俺は良い子のように大学に行き、荷物をまとめて車を走らせた。俺は夢を諦めた。俺の幸せや夢を心の奥底に封じ込めたんだ。
ある日大学の寮でInstagramを見ていた。「レスリング・クラシック」というアカウントがあったんだが、そこにCMパンクとブライアン・ダニエルソンが握手している画像が投稿されていたんだ。
同じ男だ。
俺が最も信じていた男。
俺が最も助けを求めているときに業界から姿を消した男。
俺は激怒した。荷物を積んで車に乗り込み、その日に俺は誓ったんだ。
俺はCMパンクを超えて「THE BEST IN THE WORLD」になってみせると
学校でいじめられている子供たちがTVでみるようになるのは俺の姿だと、俺はCMパンクのようにお前たちのことを決して見放さないと自身に誓ったんだ。お前みたいな臆病者と違ってな。
3月6日のREVORUTION(※注 AEWのPPV。MJFとパンクはDOG COLLAR MATCHという名のハードコアマッチが組まれることが決まっている)
お前は首輪で俺の首を締め上げ、痛めつけ、血の海に沈めるかもしれない。だが俺は、絶対に降参しない。
降参してしまえば、俺はお前より劣ると認めることになるからだ。
だが絶対にそうはさせない。なぜなら
俺はマクスウェル・ジェイコブ・フリードマン
お前より優れた男だからだ。思い知れ!
現在AEWの中では間違いなくTOPのヒールのであるMJF。
リング外では素の姿を見せることの多いアメリカのプロレス界の中でも、徹頭徹尾憎たらしいヒールを貫いているはずの彼が、このプロモの後に残したツイートがまた印象的でした。
『俺の人生の中で最も辛い瞬間だったかもしれない。ありがとう』
この一言の中にどれだけの葛藤があったのでしょうか?自分には想像すらできません。
MJFが今のプロレス界の中でも世界最高のレスラーであることは疑いのない事実でしたが、今回のこのマイクによってまた別の次元に足を踏み入れたと思います。
そんなMJFとCMパンクの決戦が行われるのは3月6日のREVORUTION。
その直前に行われるAEWダイナマイトにて、このMJFの魂の篭ったマイクを受けて「THE BEST IN THE WORLD」「Pipebomb」ことCMパンクはどういったリアクションを返すのか?
期待に胸が躍ります!!!